駆けよ 風と成り 蒼天を裂け 運命さえ追い越して 栄光も裏切りも背に受けて 止まらぬ儘 駆け抜けろ 鞍馬の峰に風立ちて 幼き影は空を睨む 名を持たず 只 剣を握り 奪われし夜を取り戻す様に 誰より速く 誰より高く 孤独を友として 断崖を駆け 波を裂き 八艘跳びの影ひとつ 雷の如く 刃閃く 勝鬨は天を震わせ 誉れは刹那 歓声は泡沫 光の中で 駆けよ 風を越え 夜を裂け 疑いなど 振り払え 此の身ひとつ 嵐となり 歴史に名を刻め 止まらずに 進め 閉ざされし門 届かぬ声 忠義はいつしか咎へと変わる 勝つほどに遠ざかる灯 兄の背はいと遠し 追われる影は名は失い 只 風となる 守りたいものは誉れに非ず 只 傍に在る 人の声 風より速く理を超えて 刃は走る 駆けよ 神と成り 蒼穹を裂け 滅びは終わりに非ず 此の身朽ちても 魂は消えない 新たな時代へ 吹き抜けろ 降り頻る雪足跡は消ゆ 静まり返る灰の空 刃より鋭きは 無情 あゝ刻の無情 それでも風は消えず 尚 走る 駆けよ 神を越え 蒼天を裂け 疑いも 裏切りも 越えてゆけ この身朽ちても志は消えない 止まることなく 翔け抜ける 其れが わたしの生きる道
