拍が鳴る 幕が揺れる 笑い声が 先に立つ 名を隠し 顔を借りて 今宵も舞台が始まる 此れは 悲劇ではない 喜劇でもない 狂言 正しさを着飾って 無難な声で相槌を打つ 本音は胸の奥に沈め 上手く笑うそれが礼儀 疑うな 目立つな 空気を読め そうやって 誰もが上手に演じている 仮面の裏で 歯を食いしばり 笑顔の儘で 狂いだす 嗤え 咲え 其れが狂言 正気の顔で 狂え 嘘も本音も混ざり合い 真実だけが踊りだす 綺麗事は拍手を呼び 本当の聲は影に落ちる 護る為に黙した言葉 其れも又罪だろう 誰かの為と言いながら 誰も傷つかぬ様 そうして削れた 歪な心の形 仮面を外せば 樂になるか? 其れでも外せず 又笑う 嗤え 咲え 其れが狂言 本音を隠して踊れ 正しさだけじゃ救えない 心が此処に在る 此れは偽りの音 其れでも息づいている 真実 誰かに嫌われる 其れより 自分を嫌う方が 樂だった 嗤え 咲え 其れが狂言 仮面の儘で 叫べ 嘘の中にも 確かに鼓動は鳴っている 偽りだとしても この瞬間も生きている 幕が下り灯りが消え 残るのは仮面の裏の息 狂っているのは誰だ? 其れでも拍は止まらない
