春の風が君の 髪を揺らしている 凪の海のように 朝を待っている ああ、君の心臓が 早鐘を打つ 結んだ唇に メロディが 明かりの消えた 風景の アスファルトのひだのひとつにも 夜明けが来る ああ、夜が終わる ああ、夜が行く 身を切るような寒さに 構いもせず 窓窓に 映し出された 群青を 心に入れて 春の風のように 君は駆け出して 体に気をつけて 風邪をひかないように 小さな子供の頃に 誰かに 抱きしめられたことなど 忘れてしまっても ああ、夜が明ける ああ、夜を行く 決めつけられた運命に 見向きもせず 夜明け前 指がかじかんでも 群青が 心にひとつあれば