吠える空を見た 目を閉じたまま突き抜ける景色を これ以上何を見ればいいの だから私はもう戻らないよ こんなに優しい場所を知っていた 泣き声のように届く風 貴方に触る右腕の描く ラインを風が教えてる 何度も塵になった世界はまた 美しく照らされて陰をも産んで 名もない色をまとう小石をそっと 女の子が拾って窓辺に置くよ 月が見ていた夜が見ていた 胸に生える羽根は雲を切って ここを見下ろすように尋ねるよ 何を失くしてるのかと 誰をずっと探してるの ねえ今何時なのここは何処なの 貴方は誰なの愛してもいいの 優しい人達が殺されているよ もうあと一滴で 世界は溢れそうだね もしあの道を右に曲がらなくて いつものラインだけただ 歩いていたなら 貴方と今こうしてうなじを握って 飲み込むものは何も 無かっただなんて 月を見ていた夜を見ていた 雪が解けるように 私の奥に射し込む光は 貴方の瞳の奥に在る 一筋のラインを超えてくる 大きく伸びた 真っ黒な翼からこぼれて落ちた 1枚の羽根が光に透けて 色が消えてくよ 私の胸のラインを真似た 地平線に着地するときを 吠える空を見た 目を閉じたまま突き抜ける景色を これ以上何を見ればいいの だから私はもう戻らないよ 胸に生える羽根は雲を切って ここを見おろすように尋ねるよ 何を失くしてるのかと 誰をずっと探してるの 雪が解けるように 私の奥に射し込む光は 貴方の瞳の奥に在る 一筋のラインを超えてくる