届けば簡単な話を ぐだぐだ考えるぼくのくせ 黙り込む横で君が待ってる 「行かなくちゃ」 そう言って君は支度をする 「今夜は遅くなるから」 と上着を羽織った ずっと言えなかったことは だいたい後で思いつく いつも手放してばかり ぼくのわるいくせ ごめんねとても愛しい人 乾いた風に流されて クラクションの音で目が覚める 今もぐだぐだと君を待ってる 案外生き延びてしまうもので笑える ぼくのくせに今もまた春が来ると 思ってる いつかこぼれ落ちたものが ふたたび落ちてくることを待ってる 不器用なことはぼくもわかってる さよならとても愛しい人 ずっと言えなかったことが 書いてある本を読んで そのページを開いたまま置いた ぼくのわるいくせ 今日帰ったらしまおう くせにならないようにしまおう