己等(おいら)は 「犬」じゃない どっちかって言うと 「狗(いぬ)」って言って 違うよ 「犬」じゃなく 「けものへん」のほうさ 分かるでしょう 嗚呼 山を守(も)る 人を諭す 偶(たま)に怒る そんな務め 火を飛ばし 樵(こ)り積みて 飛礫(つぶて)打ち 高笑いの 聲(こえ)が 何処となし 乾いても 容赦なく 扱き使われ それでも 一寸(ちょっと) 噛む ある意味 山の神 あ 気にしないで ただの 独り言 だけども 彼(か)の土地じゃ 大天狗(たいてんぐ)より 偉いのに 木の葉にさえ 烏にさえ 見下される 上見りゃ 切りがない 火を飛ばし 樵(こ)り積みて 飛礫(つぶて)打ち 高笑いの 聲(こえ)が 何処となし 乾いても 容赦なく 仕事は 山とある また 人を嚇(おど)かしたって きっと 鼻であしらうだけ もう 泣けて 眠れない そんな夜を 幾つ 呑み込んで 火を飛ばし 樵(こ)り積みて 飛礫(つぶて)打ち 高笑いの いや だから「犬」じゃなく 「狗(いぬ)」って言って 「けものへん」に 句読点の「句」さ 仕舞いにゃ めっちゃ 噛む