だれも傷つくことなく、 もう惑うことなく おとぎ話の結末と地図に いまバツをした らせんのほとり這って進む、 景色と色は匂えど 辞書からこぼれ落ちた 慈愛という言葉を 食べては吐いてを繰り返していく、 心臓食い破るほど 思い出と生きられるまで! ひだまりの坂、色は凪ぎ、 振り返るきみが 泣き出した頃、 この歌はノイズになっているよ むせ返るような斜陽の香りが 届くまでは いつでも微笑みを きみのにせものを見た、 三月の通りで 木蓮の花を見ていた、 大きなおなかを抱え 何も知らずに通り過ぎた。 それだけでいたいいよ! なぜだろう? 季節は連なって崩れていく、 ドミノが倒れていくように 塗り絵と変わらない暮らしを 貼り付けた 笑われるほどの愛情を にせもののきみに届けよう 思い出が擦り切れるまで! 惑う足で、何を見て、 何を愛すのだろう 四季が凪いだら、 それすらもノイズに変わるよ 取り留めのない きみの記憶が尽きるまでの 永遠、微笑みだけを むせ返るような斜陽のなか いつも笑っていて どうか笑っていて