あなたに手を引かれ歩いた畦道の 遥か彼方 沈んでいった陽の中で どこにでもあるような 他愛のない話を 真っ直ぐ目を見て聞いてくれたこと その手の温もりも優しい眼差しも 目を閉じればすぐそこにあるようで 大切だったモノ 幾つも失って それでもあなたは ここにいる 分かっていた 分かっていたような気がしていた 地平の向こうで橙が黒く染まること スローバック 今も変わらない僕は あの日を抱いて 忘れないから 守っていくから 生きていくことで 通い慣れた道を滑るタイヤの音 繰り返してる想い出のメロディを 口遊むその声が子守唄になって 滑らかなシートに夢を遊ばせた 擽る甘い匂いも鈴の音のような声も 目蓋の裏にすぐ思い描けるよ 目が覚めた時には鳴り止んだ音色と 取り残された僕だけだった 知らなかった 知らないでいさせてくれた この甘い夢が 溶けてなくなってしまうこと スローバック 今も変わらない僕は あの日を抱いて 忘れないから 守っていくから 生きていくことで こんなに温かった こんなにも小さかったんだ 確かめるように抱きしめた夜 言葉と一緒に全部 零れてしまいそうだから 何も言えなかった これ以上失くすモノがなくなった時 変わらない僕の 他愛ない話を聞いてよ スローバック 今も思い出している 寄せては返し 何度となく打ち付ける痛みを この胸に強く 刻み付けながら
