駅の向かいの花屋でまた お気に入りをひとつ見つけたとこで ごめんねといつもの声がした 鼓膜の奥まで溶けていく声に 少し眉寄せ振り返ると 小さくなったあなたがいて そんなつもりじゃなかったのに なんだか頬が緩んでしまう お気に入りが見つかったからかな 帰りに君に買ってもらおう いつまでも今を忘れないように 流れる時間が違っても 重なり合うその瞬間を この手で掬える愛しさを 刻んでいたいと思う たまには君に待っていてほしい 君の好きな花 教えてほしい 音のない夜に耳澄ませて 心の声を必死で手繰り寄せた 呼吸をするのも躊躇うほど 握る手が世界の全てで 曖昧になっていく境界線 夢と現を行き来しては 君の呟くおまじないが おやすみの合図 また明日ね 瞼の裏 何を見てるんだろう 明日もきっと朝を迎える だからこそ今を忘れないように 君の全部を知らなくても たとえこの先知れなくても この手に宿った温もりは 大事にしていたい たまには君に見ていてほしい 細いその指で触れていてほしい いつだって私のこと 待たせてばっかで 最後だけ どうしておいていってしまったの 寝坊助な君を起こすのは 私の役目だったのに どうして 流れる時間が違っても 重なり合うその瞬間は この手で掬える愛しさは 心にいつまでもあるから 今でもここにいるから 少しずつ感じなくなっていったり 早起きをしなくなったりもせずに 何度歩いた帰り道にも あなたがいるようで 大丈夫 もう少し待たせるね 私は私を生きてみるよ 寝坊助な君はそのままでいいよ 駅の向かいの花屋でまた お気に入りをひとつ見つけたとこで ごめんねといつもの声がした 気がした
