月下美人が甘ったるい匂いと 戯れ言を撒き散らす お前なんかに寄越す蜜はないと 朝には萎むくせに ぼくの周りを這いずる音は ゾッとするほど美しくて 速度増す程 彼岸の声が ずっと付いてきて五月蝿い 糸を吐く吐く吐く あの日を待つ待つ待つ 僕は溶けて変貌する 湿った翅震わせ 朝に吹き飛ばされ 夜の息と踊る 月下惨めな 1人翅のない僕 願い事を吐き捨てた 命燃やし花探す雀蛾みたいに 夜を飛べたらいいのに 僕の両手にあった音は 轟々と燃え 心地よくて 月日経つほど その音は 僕を灰に変えてしまうんだろう いいでしょう? 今日こそ今夜こそ蛹を破っても いい加減僕は行くよ もう此処には居られない 息を吐く吐く吐く あの陽を掴みに向かう 僕は溶けて変貌する 果敢に翅震わせ この声が 夜明けと共に 新たな日を迎えに行くから 生きる 生きる 生きる 生きる