君に繋がれたロープ 手繰るように 指先が捜し当てた アラームのスイッチ うつぶせの僕の身体 撫でるカッターナイフ ブラインドの隙間から ひんやり落ちる 階段下の声に空返事をした 読みかけの「罪と罰」に絆された心 小さな籠の中の君に そっとそっと触れたいよ 僕は見て見ないふり 愚かなほど正しいことは なにもなにも知らないよ いつか大人になる日まで 平凡を噛み殺して並ぶ 駅のホーム 携帯のインターネット ローカルニュース 屋上に揃えられたスニーカーの紐は ひらひら宙に舞う優しさが解いた 綺麗な箱の中の傷に もっともっと触れたいよ みんな見て見ないふり 僕の伝えたい言葉は なにもなにも言えないよ いつか大人になる日まで 体育館のフロアで口を開ける 巨大な襞の列 蓋をした叫びを引きずり込んで 無実となった 小さな籠の中の君に そっとそっと触れたいよ 僕は見て見ないふり 愚かなほど正しいことは なにもなにも知らないよ いつか大人になる日まで 大人になる日まで