傘をさすふり 地下鉄の終点でいま、 吐き出してしまった あとすこし 嘘をつくたび さかさまになった気がした 焼き付いたしみが膿む前に 諦めてしまえば鉄の味した わかりあってどうした? 間違い探しのような つぎはぎだらけの奇跡が そっと老いていくだけ きみの呼吸に 鐘の音鳴るような祝福を まわらない鍵 地下室のすみっこでまた 泣き出してしまった 赤子のように 唾を吐く度王様になった気がした ああ、鳴りだした音がやむ前に 跪いてしまえば罰の味した ああ、 なにも知らず生きていくだけで いつも痛いの ねえ、 守りたいものはいまもこうして 見えなくなるの さあ、殻の教室で待つよ ねえとても寒いよ 映画で見た景色だ はぐれたミミズをそっと 散らかして迷うことなく ずっと血を流しているきみの体に 心が寄り添う祝福を いま、誰一人触れられぬ祝福を