何故だろう 今浮かぶのは あなたの鈍い呼び声と 柔くて苦い残香だけなんだ 薄情だね 流れた涙を吸い上げて 最期の掌をかかげた 今更 1番綺麗に映るのは 皮肉みたいね きっと知らぬ間に僕は あなたの陰に隠れて 時間だけを食べては 動けないまま 今になって 眠れない夜が 怖いこと 変わらない日々が 辛いこと 堪えた涙が 痛いこと 今はただ 思い出すだけ 今も途切れそうだから 下を向くの 壊れた胸に染みるのは 痛みを感じ取れなくて 見つめる僕の傍らで眠る あなたの寝息 ぽつんと弾けた頭上を 合図に降り始めた 僕のじゃない感情に 戸惑いながら 顔を出した 話したい事が あったこと 謝りたい事が あったこと 叶わない夢が あったこと それもまだ 言えないままで 今は言えそうだから 会いに来たの 眠れない夜が 怖いこと 変わらない日々が 辛いこと 堪えた涙が 痛いこと あなたなら なんて言うかな 雨のない日々が 怖いこと 背負った荷物が 辛いこと あなたの掌が 好きなこと 今はただ 思い出すだけ 梅雨間咲くあなたに蹲るの
