騒々しい虫の声と薄明かりの帰路 肩を透かす風は 掬うように塵舞い上げ 積もり積もる時の中で 草の薫り 煌めく粒を 君の見てる前で くすねて 旅を図る 知らずの庭で 眠れる星回り 揺れる身体を 抱きしめる街へ 肌に触れた 冷たい気配の 生まれた場所も 知らないままで 雲に隠れた月の光さえも 味方につけられるなら どこか煙たい車を追った 街の騒ぎは思い出せない 窓を叩く風は捻れて かき立てた不安を置いて 次へ 躊躇わず しなやかな身のこなしで 鈍色の街を抜けた いつもの夜も 行く当てのない日も すべて身体で受け止めて 針で肋を刺すような 居心地の悪い 奇妙奇態な世界くらい 僕はいつだって さよならできるさ