積み上げた空の箱に ため息をひとつついて 変わらない僕を 愛す人をよそ目に泣いたのだ 季節外れの寝具 徐ろに横たわれば 少しの間は何の姿にもなれないな 午前一時に見始めた 懐かしい映像ゆえか 微熱をさますように あなたを感じて 堪えられない夜に はぐれた涙の辿る先を追い 見つけた部屋にいたい 故郷から遠ざかる 誰ひとり気付かれぬよう 虚な目でささやくのさ 昨日の辞書にはなかった言葉 弛むロープの端を ふたりで結ぼう 二度と解けぬように 祈りを捧げる 今宵の月は 僕らを見ている 砂嵐をかけ抜けて 火照った身体の内から ただ髪に混じる煩わしさまで 溶かすよう意識を 微熱をさますように あなたを感じて 堪えられない夜に はぐれた涙の辿る先を追い 見つけた部屋にいたい