見えない壁の向こう側 白い歯を出すでかいやつ 毛のない足を突き出して鳴き喚く 見えない壁に囲まれた 背伸びもしにくい狭い箱 甘い匂いは消えてしまった 隣のあの子はどこいった? 向かいのあいつもどこいった? 怯えたはじめましてはもう飽きた あの日の温もりどこいった? ああ、きっと夢だった 今日も一人毛布の中でそっと目を 閉じた 何回だって 叫んだってわかっちゃくれないけど さ どこかに置いてきた 願いってものがあるのさ もう一切何もしなくたって 生きてはいけるけれど 不思議と何か無くしたような 胸の支えが取れないや、ずっと また目が覚めては怖い顔 甲高い声が苦手で困った 隅っこに隠れてやり過ごす こうやって遠ざける、何度でも 段々箱も狭くなって ご飯もなんか固くなった 景色もガラガラももう飽きた いつものでかぶつ近づいた ああ、ちょうど腹減った 何故か急に毛布を取られふわっと 宙に浮いた 何すんだ!ってもがいたって 降ろしちゃくれないけどさ 妙に生きようって 気持ちがどうもあるのか もう一切合切投げ捨てて 逃げなきゃいけないのに すくんだ足に震える体、 細い図体に怯えてさ もう何回だって 叫んだってわかっちゃくれないけど さ 今ごろ湧いてきた 願いってやつがあるのさ もう一切全部委ねたって 生きてはいけないけど 持てる力で爪を立てても 体つっかえて抜けないやずっと 小さな箱に押し込められた 今日で世界が閉じるんだ、きっと…