ああ 夜深く 依る暗く より近く 夜の淵につき よりふかく つきのひかりすら因らず ひかりひかり どこかにひかり ひかりひかり どこかへきえた ひかりひかり どこかのひかり ひかりひかりが おまえをてらす ああ この景色 この眼 未だ見えず 然れど不意につき 欲深く よく見えず ふわふわりん 沙羅双樹 終の音 不意のひと やみのいと ふわふわ からからりん 太陽は寝ている 夜のうち転がる輪 揺り歌 くらくらりん 曼珠沙華 色々混ざる人々 いとふわふわ ふわふわの 呪詛のおと在り 厭離穢土 ひとのために ただただ漂い 浮かぶいのちと ひたすらいきるを やめるいしきと 恒河沙に 羅列の迷子の集い ふわふわのまま 千切れる糸 帳が降りた世に ひかりあれ ひかりが差して 翳が満ちる 星翳り 終息 炎魯の道遠し 草花の様にさいた 晴れた夜 雷鳴の音 婁天に然り 中天に至り ああ よるをあるく ひとりあるく すこしさむい 宵の淵はどこ? 良き道はどこ? 月のひかりがみえない ああ 宴の後 夜踊りの音 知らず知らず 羽根のついた蛇 一人きりで砂を集める子供達 それぞれの世は 快適なの? ぼくたちの夜は いつ明けるの? ただただ漂う 渦まきのように ひたすら眠れば また夜が来る 那由多に偏在する迷子は眠い からからに なるまでいきている 帳が降りた世だと 信じては 翳満ちる ばかりだと ああ よるに依りて 陽はまだ 遠いけれど いまよるの底で ひとりよいて くらやみより 絶え絶え まだきこえる 宵の余韻 ただ 朝を待っている ただ 朝を待つ