やがてそっと目を閉じて とうとう消えてしまったのね 今度日を改めても戻れぬ場所まで 貴方と行くことはないかしら あっ貴方のその温度が 初めて触れる冷たさだったら 余計なこと言わないで 済んだのかしら 栄養の足らない頭に 何を載せても軽くてみすぼらしい 行き止まり、未知ばかり、 空っぽ動かない皿秤 美意識の先ロゴスばかり詰めた ポプリの香りがしないなんて 当たり前、名ばかりで 威を借りただけ代わり映えのない 最小の感傷を表す言葉達は いつか君を見放すだろう 自動操縦の乗り物が 足に括られているような感じ、 損はない異論もないが 不快や具体のない 着心地の服ばっかり 売られてるブティック、 一歩で分かる国に愛やダイヤ、 又、本当も嘘もない、 そんなこと考えたって得しない 雑踏で時折こちらと目が合う人の 部屋で今、ガスが漏れている 恣意性で飾られた机は 手を伸ばせば何もかもがあり、 烏合の衆、積もる郷愁、 錆びたてのバネ、草臥れた鶴 泥酔した昨日の毛布 まだ温かく出られない檻のなか 獲物になる獣を待つ時間に 気付いていながらも 排気音、サイレンが遠ざかる 窓の外で誰かが何かに怒り、 泣いている 程なくと消えたはずの音が まだ耳の奥に残っている 雑踏で目が合う人の部屋で ガスが漏れている あの花壇もきっと誰かが 世話している この世界で僕一人きりでも 影は遠くからでも届いている だからなんていうか、 それが気持ち悪い 言いたいこと土に沈め 生えた葦がまだ黙って揺れている 覚え書きの文字、絵日記、 埃被ってるだけ サラバ! 不可欠を欠いて不安を煽って 木を切って飲み干す酒を囲う食卓、 時計、幾許、悪い夢なら残さないで 愛を逆さまに後は順番に並べるだけ