神楽坂 南外の堀 ギリギリのビルの角で 貴方待つ 松明よろしく 燃ゆる胸は 遅い青春のよう ゴム風船 ヤニを押し付けて ジリジリと音を立てた 破裂待つ 本末転倒の 行く先も承知の上 「ほらね」 「言わんこっちゃないね」 はいはい耳タコ閉じる両目 虚しく転がった薄荷飴 閉じる蓋のない口の中 黒い空に上がる花の火は そそり立つビルで丸くなれず 二人みたいで なんか悲しい 午後8時 街にさようならの 拡声器響き出せば 誰が為に 急ぎ地下鉄に 吸い込まれ消える皆 「じゃあね」 「またね」 そんな言葉を使うのもうんざりだ 終わりが見えている始まりは ほら打ち上がった花みたい 貴方に囚われた心臓は 娑婆の空気などもう要らないわ 虚しく転がった薄荷飴 愚痴など吐けない口の中 ころりころりと音を立てりゃ 閉じる蓋を待つ口の中 黒い空で散っていった花 淡い色の二人みたいで なんか悲しい