きっと今日は昨日と何一つ 変わらない朝になるから、 少しだけ豪華なコーヒーを飲んで 過ごそう。 催花雨、空梅雨、 遠く聞こえる鳥の声。 湿った雲許り 見えるけれどもいい日になるから。 雨に濡れたテラス席に冷たいお皿を 置いて、 居なく成った隣人を引き 出しに仕舞い込んで、 幸せな日常をもう一度繰り 替えそう。 茜色の空が消えて無くなって終う 前に。 「個体識別番号二拾五から異常を 確認。 生態系の週f区は不可能と判断。 TRE-7/5号機に残っている ヒトの皆様は 速やかに避難してください。」 廃れた外壁を擦って溶けた明日を 願おう。 屹度そこには呑み込まれて仕舞った 皆の、 声が。