柔らかい棘を飲み込んだ ちくりと飲みづらい この世は綺麗かもしれませんが、 基本的には嫌いでした。 瓦礫に満ちた日々の中で なぜあなたは声かけるのですか。 「君が好きだ」と 知っています。 あなたはとても嘘が下手ですね。 分かっています分かっています。 「傍に居たい」と言った 嗚呼ならばこの手を決して 離さないでくださいね。 冬の色がここにも咲いてきました。 春の香りが私には吹いていました。 醜い夜空にサヨナラを 私この世がちょっと嫌いでした 嗚呼、 堕ちてゆくあなたの顔見たいから 少し寄らせて ねえ いつからか視界は灰色で、 でも、時折見える色は綺麗でした。 あなたの見せる鮮やかさが、 色褪せてくるのが怖いのです。 「明日が怖い」と言えば 知っています。 あなたはいつだって抱きしめるの。 分かっています分かっています。 「今すぐ来て」と言えば すぐに来ます。 でも正直さに、 ふと嫌悪が走りました。 冬の色がどこでも深まりました。 雪は私の心も凍えさせました。 柔らかい棘に堅い棘 今までいくつ咥えたでしょうか お腹の中傷が増えるたび 笑顔が上手くなっていると 気付きました 嗚呼 綺麗な夜空にサヨナラを 私この世がちょっと嫌いでした あぁ堕ちてゆくあなたの 顔飽きたから 独りでサヨナラ ありがとう さよなら