黒髪を伸ばしなびかせたあの子の 唇がフィルムの内側で 初めての恋を洩らしては肘をついて 視線を釘付け あの日選んだ ロイヤルブルーのスカートが もう似合っていないこと 時代に残された争いのようで すぐに捨てたらしい 「2020、昔は苦しかった」 なんて素敵なことだろう 平らなものってほら 嫌われやすいじゃない 妬まれやすいじゃない 「2020、 私もずっと苦しかった」 やっとこの場所で会えた 裸のあの子にすら 触れず逃げ出して 賢く育つため 2020、あれから三角形も崩れた ツバメの番がもう踊り始めてる 黒髪を伸ばしなびかせた あの子の唇が そっぽを向いたときに火をつけた