霧の中から帆船が浮かんできた これは僕の夢の中 乗組員はあべこべで足りない形 伽藍堂の瞳こっちに向けている 「話を少ししようよ少年」 彼はカタカタと近づき 僕の手をとった 甲板から眺めた景色 どこもかしこも真っ白け 彼と二人きり 枯れゆく大地に雨を降らせて 何もない空に星散りばめて 見えない誰かに縋る程無力な僕ら 愛する誰かを抱きしめること 登る朝陽の暖かさも 「一瞬だけの奇跡なんだよ。」 彼はそう歌い僕ら手をとり踊った ワン、ツー、スリー ワン、ツー、スリー じゃなくて スリー、ツー、ワン スリー、ツー、ワン 霧の中から帆船が浮かんできた あれは僕の夢の中 彼はカタカタ 姿を消してしまった 泡沫揺蕩う海の底深くへ 手にしたもの無くしたものも 例え全て忘れて消えても 僕を築く粒子だなんて 口にしたら胸の奥が なんだか温かくて 君が隣に居るように思えた 満ちて欠けていく月を追いかけて 不確かな色を塗り合わせて 作り上げられた世界で きっといつか笑い合いたいよ その手をとって踊ってみたいよ 二人の足跡 波に解かされても 君を想って眠りたいよ 終わりのない悲しみだとしても 君はここに居たんだよ 子守唄の様な思い出 二人重ねた奇跡 凪いだ海に願いを灯そう また出会えるその日まで ワン、ツー、スリー ワン、ツー、スリー じゃなくて スリー、ツー、ワン スリー、ツー、ワン ワン、ツー、スリー ワン、ツー、スリー じゃなくて スリー、ツー、ワン スリー、ツー、ワン