透明な夢を見ていた 透かしてみた世界の形が少し 歪んでいたことはもっと 後になってから思い知ったこと 誰にも嘲笑されないような 死に方はできそうにないから 怖くて仕方ないままで 抗う格好で流されていく 遠い目をした少年の 絶望は世界を変えるか もう身の程が知れているから 救えないし笑えない 改札をくぐる前に 靴紐はぎゅっと結べそうかい せめて転んだりしないように 誰も君を 愛さなくなってしまった日のこと 空っぽだけが残る その時何を思っている 死ぬことがとても恐ろしくて 生きていくだけ そんな日々の果てを睨むように 話をしようぜ ここが世界の真ん中って なんとなくでも思えた頃のこと うぜぇ光が落とした影 瞼の外すらも同じような色 ケーキに立った蝋燭の 燃え方すら違う気がした 虚しいだけなら こんなもんは要らないし見たくない 焦燥が顔をぶって 眠るのもちょっと難しいが せめて風邪など引かないように 誰も君を 傷つけなくなってしまった日のこと 幸せじゃないなら意味なんて ないってことかなぁ 転んでも 手を差し伸べられないだろうこと 今更思い知ることが嫌で ぎゅっと紐を直す 誰のことも愛せなくなっても 愛してもらえなくなっても 幸せを願われたこと 少し覚えてる 空っぽ自体を抱きしめた時 ただの自分の体温で 少しだけ熱を持ったのだ 少しでも確かに 誰のことも 愛せなくなってしまった日のこと 抱きしめるための空っぽたちを 持っておくとしよう 死ぬことがとても恐ろしくて 生きていくだけ そんな日々の果てを睨むように 話をしようぜ 幸せなんてないよ でも 生まれた意味はあったんだ