例えば思い浮かべてみて欲しい 広くて何もない部屋に目が 覚めたらいるとする そこは空間を反響する音がそーっと 流れてるだけの部屋 家具は何もなくて ただドアが一つだけ奥にある 君はそのドアを目指して 進もうとする ところが、 なにか良くない気配を感じ 取ってしまう さて、君はそのまま前に進むかい? そりゃ進むしかないんだけどさ この世を作ってるものは 結局そういうものだと思うんだよ 実態なんて元々何もないのに、 よからぬ気配に頼って 生きてしまうだろう ドアに向かってしまえばいい 君が前に進めるか 進めないかの前にドアが 消えてしまうのかどうかを 考えなきゃだめだよ ほら 気付いたら水が溢れてくる 水源は分からないけどゆっくりと 足元から浸かっていく 君はいまドアに向かおうとする でもその頃にはドアはちょっと 沈んでしまっていて、 思うように開かない 君は1人で暗い部屋で溺れ 死ぬかもしれない 不安なんかよりも大きな絶望が 襲ってくるだろう だけどそれは君が 何もしなかったからだろ? 君がいる階層が1階だとしたら、 その世界は何億も何兆も階を連ねて 君のことを待っている 抜け出す方法なんかない ここから死んでも死んだ先で 同じようなものが待ってるだけ だから今は焦らないで、 ゆっくり目を瞑るんだ やるべきことだけを考えて、 ゆっくり目を開けるんだ 食事や洗濯、 掃除のことは考えなくていい 君がドアを 開けるためにやるべきことだけを 思い浮かべて ゆっくり目を開けてみるんだ きっとそこにドアはあるから