ネガティブな感情を無理やり ポジティブに変換するのは 12月の風を肺に取り込んで 吐き出した一瞬に街灯の下で 煌めくようなものだろう 凍てつく一方だったはずの人間性を その場にとどめおくエネルギー 或る人は地下熱、 また或る人は日が照る間に賄い 再加熱を成し遂げ美味し糧として 味わえるの 差出人不明の励ましに救われて 明日も良い日になれなんて 考えたこともなかったのになんで 自分を許せた時だけ 他人の目が気になんねえ 暢気に酒飲んでる鼻の赤い彼だって きっと大切な時間の為に 必要な犠牲を払ってる 増え過ぎた人々は互いに肩を 躱しても 先手のない喧嘩を買わされて 賢明に生きる計画を練り直し 未然に接触を防ぐ契約を交わし合う 目的で 設えた室内で実在を 見つめる時に頓服の鎮痛剤を 噛み砕いて気位を歪ませる より良く死ぬ為により良く 生きようという アドバタイズメントが後を 絶たないならば敢えて 保険適用外のアドバイス通り 生きようと意気込むが 御多分に漏れずご意見番の視線が 上から下へと スキャニング、 これはある種スキミングだが。 口をつくのは、はいかいいえ 他者に聞いても、他者のそれの為 彼我の差は埋まらず 没個性礼賛を古典で学んだ 未来の機械の子供たちしか 居なくなる ユーモラスなユートピア 各々が孤立して徒党を組む 思惑はバラつきながらも 指揮系統は確立された 空中分解を前提とする 児戯でありライフゲーム パンくずを溢したベンチの周り カワラバトを頂点とした 公園の食物連鎖が僕を見ていた 鳥と虫はパンを欲しているのに 栄華を望んでいるのに どちらも過剰な繁栄を叶えられない あまりに巨大な枠組みが 小さな欲望すらも コントロールしている 裸の王様に擦り寄る 者などいやしない 知を捨て恥を捨てやっと 仕組みの内側 聴く耳持たざれば口を利くのも 疎んじるのが人の常 背筋を伸ばして死後硬直 並ぶ人の畝、 僕の身を埋めた君の胸の中で おもしろうてやがて悲しき人の群れ