「昔、昔のお話です」 <♪> 詩人の男は世界を憎んで 森の奥に住む 若くして死んだ娘のために 詩をつづった その言葉は風に乗って 森をぬけて 街にふって 蝶の群れとなり 蝶々の群れは ムラサキの色に空をおおった ムラサキの色に触れた者は みな気がふれてしまった おびえる者たちは 詩人を追った 森をぬけて詩人は海へ ボートに乗って オーム(オーム、オーム、オーム) オーム(オーム、オーム、オーム) 私は眉を剃って オーム(オーム、オーム、オーム) オーム(オーム、オーム、オーム) 新月の夜も休まず オーム(オーム、オーム、オーム) オーム(オーム、オーム、オーム) 詩をつづろう オーム(オーム、オーム、オーム) オーム(オーム、オーム、オーム) 世界を憎む詩を <♪> 「詩人はとある小島に 流れ着いた 犬と猫とコウモリとピエロが 彼を迎えた 私はこの世の全てを憎む 憎んでも 憎んでも まだ余るこの世の全てを 言葉で燃やし尽くしてみせよう 力を貸してくれ だがおびえたピエロの密告で 詩人は警官隊の 銃弾に倒れた その夜 犬はワンワンと吠え 猫はニャーニャーと鳴き そしてコウモリは黙して 語ることがなかったのであった」 <♪> でも言葉だけは 風にのって いくつもの街を越えて 蝶の群れとなり オーム(オーム、オーム、オーム) オーム(オーム、オーム、オーム) 詩人の屍は オーム(オーム、オーム、オーム) オーム(オーム、オーム、オーム) 海を越え 北の国へ オーム(オーム、オーム、オーム) オーム(オーム、オーム、オーム) その国の漁師によって オーム(オーム、オーム、オーム) オーム(オーム、オーム、オーム) 手厚く葬られたと言う