人類教ノスゝメ (Live at Tokyo KINEMA CLUB 2023.07.18)

歌詞

ふと目を覚ませば 見覚えのない天井の下 黒く染まった壁以外 何も見当たらない部屋で 混濁した意識の中 強烈な頭痛にのたうって 脳内に大音量の割れた音声が響く 「親愛なる人の子らよ 私は全て見ている 笑顔でさあお手々繋いで 皆一等賞にしておきましょう 幸福も不幸も過剰に主張せず 全員横に並びなさい 信じよ　されば救われる さあ復唱せよ我が教え」 間違っていようが 変えられやしないよ 皆気付かぬうちに入信させられ 一生抜け出せない ノブレスオブリージュ さあ契約書にサインを 何故か同意したことも無いのに 署名は俺のものだった ただ人間というだけで 音声が止むとすぐ 目の前の壁が動いていく 目が焼かれるほど眩い 沢山の光が漏れている 何処に繋がるドアなのか その先は何も見えぬまま 火に群がる虫のように 吸い寄せられて歩き出す 「恩恵はシェアし分け与え 苦難は買ってでも背負い込め YESの中にNOがいた場合 全部多数決で決めます 今生のクオリティ向上の為 ひいては来世の安定の為 信じよ　されば救われる さあ復唱せよ我が教え」 気に食わなくたって 口を塞いでんだ 皆正義の下で白昼堂々 刃物を振り回わす ラブアンドピースアンドオネスト もう窒息しそうだ なのに酸素の足りなくなった頭で 未だに求めている ただ人間の承認を 仲良くつるんで肩寄せ合う奴等が 少数派を駆逐する 弱さも善意も正しさも 群れを成した途端に暴力と化す 「ああもしや、ドアの先は。」 ついにその行先に気付いてしまった 待てよ　ふざけんなよ 俺は産まれたいなんてまだ一言も 光をくぐって最初に聞いたのは 自分のような赤子の泣き声と 「おめでとう」の声だった 間違っていようが 変えられやしないよ 皆気付かぬうちに入信させられ 一生を終えていく ノブレスオブリージュ さあ契約書にサインを 誰も彼もが死ぬまで社会を維持する 犬になり果てる ただ人間というだけで