ねぇ、雪化粧が落ちたら 遠くの国へ旅立つんだろう その前に ただ 行き交う 人混みを眺めてさ 余り物ばかりが 不自然な程 集まって 居心地が良いと 口にするのは 躊躇ってしまうんだ 黒斑の野良猫、名前は無くとも どこか誇らしげに 大威張りで 雪道に足跡を残していった 偶に夢に出てきた 白い飛行船に乗って 空の上まで飛んで 太陽に灼かれ 見つからないように 三日月に腰掛けて 望遠鏡で探す 旅する君のことを そんなこと考えているばかりで 雨のち晴れを繰り返して 笑い者にされながら ずっと待っていた 部屋の窓からは 野良猫のような君は何処 雪に雨が混ざりそうだ そんな感じだったんだ 世界に立ってみて 耳を塞いで わかる 夢の跡先や 紛い物の行方 朽ちて一生を終える 黄色い花とか 多分、誰かの待ち人 そんなこと考えているばかりの 穏やかじゃ無い 日々を敢えて 笑い話に出来て やっと解った 君とは違うことを 野良猫に餌をあげて暇を 潰してた 雪の日の午後 飛行船では寝過ごして 恥ずかしい思いをした