赦さない。 「ずっと、一緒だよ」 あなた…言ってたじゃない 染まる頬を伝う指が擦り抜けて行く 花の渇き 憂に枝垂れて落ちた 物言わぬ背中に桜覗くこの部屋で 「幸せにするから」 抱き寄せ口吻けた彼の日。 踏み躙る様な眼で 私と想い出も棄てて、 すべてを…無かった事にするのね。 獅噛み絡み付き 斑の痣が膿み疼く ( 絡めた腕が縺れ 解けて行く ) 塗り潰す痣と心の傷も 日に日に増えて腫れて膿んで 痛くて苦しくて 悲しくて掻き毟って弄ばれても 何時しか貴方に依存する様になって また壊されて掴まれて 殴られて蹴られて踏み付けられて 首を絞められて…それでも… 蝕む蜜の囁く欺瞞に奪われた春 遠離る指から 甘く 曖昧 眩暈 「_________。」 酷く冷めた表情で無責任過ぎる一言 嘘と偽りに 叶う筈の無い夢に縋りながら 盲いて尽くし塗れた 斑の両腕が彩り滲む 「お願い、行かないで…」 焼け付く喉の爛れを蹴り嬲り裂かれ 褪せ行く後ろ姿と 窓から風に舞い花ひとひら 絖る狂気の沙汰 ひらり ふわり 朱く散った 拾い上げた鋏で、 その背中を突き刺す。 上手に喘ぐ貴方を組み敷いて。 そう、何度も、何度も、何度も 何度も何度も何度も何度も何度も… 返り血が桜の花びらの様に。