蒸し暑い真夜中に 僕は家を抜け出して かばんに詰めた花火に 怯えながら歩き出す 誰もいない街角 何もかもが輝いて ハイライトの煙が 十五の頭を揺らす さーはじめるよ ちくしょー 視界不良だ おーらい 目標を定めたら 迷わず進め ロケ花を 打ち上げて 満月は 砕け散る 鳴り止まぬ サイレンを かき消して はじけ飛ぶ どこへ撃てばいいのか わからぬまま火をつけて 躊躇する暇もなく ミサイルは飛んで行った とりあえず ぶっぱなそー ハズレだよ 残念賞 間違いもひっくるめ 黒歴史飛ばせ ロケ花を 打ち上げて 僕たちは 笑い出す 届かない 星空に 声を上げ 火を放つ いつの日か 届くようにと 願い続ける 叶わないこと 知っているけど 難しいこと 受け流して バカになって 灰になるまで 何万回でも飛ばせ ロケ花を 打ち上げて 満月は 砕け散る 鳴り止まぬ サイレンを かき消して はじけ飛ぶ ロケ花を 打ち上げて 星くずは 笑い出す 届くはず ないくせに 何度でも 火を放つ 簡単なんだ