涼風の宵の人混みに迷い 不意に誰かに呼ばれてる そんな気がしました 踊り場の夕日 秘密の落書き 言葉なんてもういらないよ あの日の君が笑う さんざめく光の影に 僕たちが残したものは 行く夏の記憶の欠片 ささやかなあの忘れ物 去りし日の口約束に 捉われて今一人きり 君の影焼きついたまま 瞼裏の泡沫花火 雲のない空に秋風の気配 祭りの後の境内に誰か残した小石 蜩の坂を見下ろして一人 かつて君の居た街の川辺をそぞろ 歩く さんざめく人混みを背に 僕だけが追いかけている 行く夏の記憶の欠片 かたちなどもう分からない 去りし日の口約束に 捉われたまま薄れゆき 君の声滲んで消えた 泡沫の花火のように
