本名アッシャー・レイモンド。1978年10月14日テネシー州チャタヌーガに生まれる。当時母親がミュージカル・ディレクターを務めていた教会のクワイアで歌うことに目覚めたという。1993年にアトランタへ移住して以来、音楽に対する興味を強めたアッシャーは人気番組「Star Search」に応募。収録現場に居合せたLa Face RecordsのA&Rがすぐさまアントニオ・LA・リードに紹介する、という夢のようなサクセス・ストーリーへと急展開。La Face Recordsと契約後、ファースト・アルバム『Usher』をリリース。ショーン・パフィ・コムズなどのプロデューサーが参加したこのアルバムからは「Think Of You」などのヒットが生まれ、デビュー作ながらゴールド(50万枚)ヒットを記録。パフ・ダディの全米ツアーへの参加やオリンピック・アルバム『Rhythm Of The Games』でのモニカとのデュエット「Let’s Straighten It Out」 などを経てセカンド・アルバムの制作を開始。1997年リリースのジャーメイン・デュプリ、ベイビーフェイス、テディ・ライリーという豪華プロデューサーを迎えて作られた『My Way』からは「You Make Me Wanna…」、「Nice & Slow」(アッシャー初の全米No.1シングル)、「My Way」というメガヒット・シングルが生まれ世界中で大ブレイク。全米だけでアルバム・セールスは700万枚を突破、急速にスーパースターの地位を確立する。このころから俳優としての活動も活発になり、ブランディが主演していた人気TVシリーズ「Moesha」への出演を皮切りに、『The Faculty』(1998年邦題:パラサイト)、『She’s All That』(1999年)、『Light It Up』(1999年)、『Geppetto』(2000年ディズニーTV)、『Texas Ranger』(2000年)と話題作に続々出演、俳優としても大きな成長を遂げた。1999年にはライヴ・アルバム&ビデオ『Usher Live』をリリース。そして2000年新作のレコーディングを開始し、ファースト・シングルとなる予定だった「Pop Ya Collar」が全米のラジオに配布されるものの、アルバムの音源がナップスターで流出してしまったことによりアッシャーはすべてレコーディングしなおすことを決意。そうして当初の予定よりも1年遅れた2001年夏、待望のサード・アルバム『8701』がリリースされた。このアルバムからは「U Remind Me」、そして「U Got It Bad」という2曲のNo.1ソングを生み、続く「U Don’t Have To Call」もTop3入りするヒットを記録、アルバムは1年以上に渡るロング・セラーとなり全米で600万枚のセールスを記録した。このアルバムで彼は2つのグラミー賞、3つのソウル・トレイン・アワード、3つのビルボード・アワード、BETアワードなど各賞を総なめにした。アルバム発表後は初のヘッドライナー・ツアーとなる『Evolution Tour』も実施。アメリカ・ヨーロッパなどをソールド・アウトして周り、エンターテイナーとしての地位を不動のものとした。また2001年9月にはNYで行われたマイケル・ジャクソン・トリビュート・コンサートにホイットニー・ヒューストンらとともに出演、「Wanna Be Starting Something」を見事にパフォーマンスした。そして2004年、待望の新作『Confessions』が遂に完成。リル・ジョンがプロデュースしたファースト・シングル「Yeah!は瞬く間に全米シングル・チャートNo.1を獲得し計8週間にわたりチャートのトップに君臨。続くセカンド・シングル「Burn」、そしてサード・シングル「Confessions Part II」も同じく全米No.1を獲得、さらに全米シングル・チャートTOP10に3曲同時ランク・インという快挙を成し遂げた史上3番目のアーティストとなった。アルバム『コンフェッションズ』は全世界で1400万枚、日本だけでも50万枚以上を売り上げるモンスター・ヒットとなり、さらに半年後にはニュー・レコーディング&ニュー・リミックスをボーナス・トラックとして新たに収録したリパッケージ『Confessions -Special Edition-』をリリース。リパッケージに収録されたアリシア・キーズとのデュエット・シングル「My Boo」は全米チャートにて6週連続No.1を獲得、最終的にアッシャーは計4枚のシングル「YEAH!」(12週)「Burn」(8週)「Confessions Part II」(2週)「My Boo」(6週)で全米シングル・チャート通算28週連続No.1を達成している。第47回グラミー賞では9部門にノミネートされ、3部門での受賞を果たす。昨年はR.ケリーの「Same Girl」やメアリー・J・ブライジとの「Shake Down」など話題のシングルへフィーチャリング参加し話題となる一方、俳優業にも専念。2005年に全米公開されたロマンティック・コメディー映画「In The Mix」で初主演を務めたり、ブロードウェイ・ミュージカル「Chicago」でビリー・フラン役に抜擢されるなどマルチな才能を発揮している。また2008年初旬にアトランタで開催されたプロアイスホッケーリーグ(NHL)のオールスター戦に関連して2つのチャリティ・コンサートを主催、慈善活動にも意欲的に取り組んでいる。私生活では元専属スタイリストのタメカ・フォースターさんと結婚、男の子誕生という明るいニュースの他、セルフ・プロデュースのオリジナル香水ラインを発売するなど話題に欠かない活躍ぶりをみせている。
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