シェフを目指し旅をする 歩みを始めて十日 軌条を横目に謎る 食材に成りそうな物を見つけながら 「食は人を幸せにする」 【錬金学部: 錬金学科の調理見習い】の師匠の 言葉 気丈を気概で保つ 新作に成りそうな物を見つけながら 魔法学校に入れと 命じられたから 師匠の推薦状で 門を叩いた 「食事を通して幸せのお裾分け」 志す道は 長く 険しく 飽く無き探求と 折れない追究で 彼女は正義を 今日も磨く 講義中……材料を吟味して 昼休み……改良し翫味して 放課後は多くの生徒に味見させて 生徒会長には酸味 労いの料理を サボり魔には苦味 償いの料理を 苦学生には甘味 慶びの料理を 神童には辛味 戦いの料理を 風紀委員には塩味 繋りの料理を 観測者には旨味 弔いの料理を 負の感情に添う 温かい料理を 食する皆に 幸せな刻を 心が震えた師匠の一皿は 彼女の遥か先に在る 錬金で未知の食材を 『魔法は未来の為に在る』 「食事を通して幸せのお裾分け」 志す道は 永く 険しく まだ知らない味を 終点が無い旅で 虎のような瞳で 駆け出す 師匠の背中を目指して──