小さき命の群れ 炎の大地を雪原のように 弾み はしゃぎ 燃やし尽くす 纏う鎧は鐵(くろがね) 其処彼処で燻っている狐火達は 鈍色に堕ちようとも まだまだ燃やし足りぬ 炎が足りぬと喚き立てる 燃やし尽くした其の先に 一体何が残るのか? 何も残らぬ 生を終えて尚 火種を消せぬ小さな獣達は 己が気付かぬ内に 情念の化身となり 唯燃やし尽くせと全霊で叫ぶ 「この世界を燃やし尽くせ」と この炎は聖でも邪でもない 狂喜乱舞する劫火 全てを飲み込み 噛み砕き 散り散りにしてしまう炎の化け物 誰が為ではない 唯 命を燃やし 焼き尽くせ いまはまだ 小さき狐火よ