これは闇だ 紛う事なき闇が 私を喰い尽くそうとしている 闇より深い漆黒の極限に晒され 包まれ押し潰されそうになる 私は此処で此処で たった一筋の光という糸を 手繰り寄せようとしている 嗚呼 そう 指先に残る感触は あの日あなたと引き抜いた 剣から滴る始まりの音 音が落ち 音が揺れ 音が始まりの言葉となり 私たちは対為す柱であることを知る 嗚呼 愛しいあなた あなたは私の光であり闇である 表裏一体 絶対なる相対 左回りで出会い 右回りで出会い直した太古の記憶は まるで刹那の瞬きの泉のように そう 踏み入れてしまった私の片足は もうすっかり 闇色に染まっているというのに これは黄泉の泉 まだまだまだまだまだまだまだまだ あなたは会いに来てくれないの 静かに ねえ 私の名前を呼んで 全てを忘れて無に帰す前に だから私は刻み付ける 自らの血に 肉に 記憶に 脳髄に それでも まだまだまだまだまだまだ 語り足りない 私の語りは まだ途切れることなく続いている あなたは聞かなくてはいけない 聞いて もっと刻み付けなくてはいけない そう 両の耳から入ってくる 情報だけではなく その思念の流れの本流に向けて あなたは揺蕩う ゆらゆらりゆらり揺れている あの日の陽炎のように あなたは私を探している そう思いたいの そう思わせて欲しい あなたは私を諦めていないと あなたはまだ百億光年の向こうから 私に対して そう囁きかけていると 私思っていたい この漆黒の闇で 私は一人ではない 孤独ではない だから もっともっと 私の名前を呼んで欲しい 優しいあなたのその声で 私の名前を忘れないでほしい 輪廻転生を繰り返す そのうちに弱まる筈だった呪詛 退行のうちへ原点へと向かう 重力さえも反転させる それが私とあなたの 約束された彼の地へ向かう方法 Uh Uh Uh さくらさくら やよいの空は 見渡す限り 霞か雲か 匂いぞ出ずる いざやいざや 見にゆかん