世に深淵が差し迫る不可思議年目の夜 激しく鳴り響く警鐘に戦慄が走る 出でよ 時計塔の主の名において命ずる 眠れるシュレディンガーの夢遊猫よ 荒ぶれ 箱の中の生と死は併存する表と裏 かのメトシェラの古樹から創られし秒針は やがてジャッカロープの杖と成り変わる 時間を与え時間を奪う 過去と未来は今に在る 星の流れは時を定め 少しずつ星砂を零す 光は杖に宿り放たれた 誰も知らぬ闇へ 極彩色の寄獣に跨る幻獣 怪異(けい)が哮(たけ)る 迫り出す枝角を頭上に掲げ 夢に仇なす者を淘汰すべく狂い廻る 歯牙よ 我が双剣となりて裂き喰らえ 我が角は天を仰ぎ 我が杖は地を統べる 時に夢は真を映し時に現は嘘を映す 鏡の中と外の世界 僕らは手を合わせ誓った 変わらないものと変われるものを僕は訊こう 君に たとえ小さな歯車でも未来への振り子を動かす 今を生きることで重なっていく 君と僕の針は同じ時を刻む