ざらついた紙が よく映えるような薄明かり 心臓が世界に媚びる音を立てる 舌の感覚で正解など 分かるはずもなく ただ寂しさを頼りに 口付けあっていたい 老いたあなたが呼吸をする 震える視線の先 そこにおれはいるか むき出しの感情でなにか 溢れて仕方ないから今日は 夜はまだ長いのに 悲しみに追いつけないまま 涙早く止まれ 湿気て重たくなった煙を吐き出して 何も起こらない人生を願う この細胞に永遠などあるはずもない 生まれ変わったら 二度と出会いませんように そう言ってあなたは蹲る クッションひとつに 収まってしまう背中から むき出しの感情がなにか 溢れて仕方ないから今日は 気付きたくなどなかった 悲しみに追いつけないまま 涙早く止まれ 夜の中ではあまりに頼りない いつまでも怖がりな あなたの代わりに あなたを抱いた 瞳の色のわかる距離で 本当は殺してやりたかった 遠くへ行こうと思った 俺たちの夜が明けるまで 自由が続くと言って 溢れて仕方ないから今も ちらつく希望を捨てて あなたが笑うような日々が 続けばいいと思った さよならにしよう