軋むリムに空気を絡め 走り出すタイヤ 漕ぎ出す先は、 果てのない夢だろう?信じて。 逃げ出したい現実に 本当の顔が表(で)る でも、それも気付いている。 立ち向かうための勇気を出だす旅 「心こそ」と合言葉に、 胸を張りそれでも愚痴が出る。 もう駄目か、と。 鏡見つめて顔を洗って 目を見る「大丈夫」 言い聞かせて扉を出る。 風に歌声を乗せながら、 描いた夢を思い出す。 溢れる言葉、メロディが 誰かの明日になる。 負け続けた路だけど、 今度こそと引き出してくれる。 笑顔にあなたの声があるから また足は軽くなる。 闘わないヤツの歌は ききたくないだろう? 撓(たわ)むチェーンに雨を絡め、 廻り出す歯車 漕ぎ着いた場所に 自分を探しに来たわけじゃない 僕はずっとサドルの上 誰もが出来るがやらぬことから、 誰もが想像出来ぬことを。 この身体でこの心でこの声で この手で掴むから意味があるんだ。 「この先どうするの?」 無数のしかめた眉が問い詰める。 いつも違う答え。 その場しのぎのもっともらしい 笑顔の虚実 だけど、僕には夢がある。 根拠はこの歌声にある。 もう駄目だ、と。 飲み干す水にため息、 肩を落とし出た扉 突然の「がんばれ」の言葉に 歩みを止めることも、 後ろ振り返ることも 意味があると気付かされる。 風に歌声を震わせながら、 雨に泪を滲(にじ)ませて。 漕ぐペダルのリズムが また心昂(たか)ぶらせる。 結果が出なく燻(くす)ぶるけど、 目の前の一人を想い唄う。 あなたの笑顔、泪が また心を軽くする。 闘うヤツの歌は響くだろう? うしろに漕げば空回り、 前へ進むことしかできない charinko man