小さな坂道で 手綱をくゆらせて 泣きながら子供 坂を登り下りる 老いた命と見つめる 夕焼けみたく佇む 手綱を首に巻きつけ 夕焼けみたく佇む 輪郭が滲んだ 水彩画のように飲まれて 僕の眼の前だけで 幻は輪廻する まろやかに混ざる湿度が 僕の耳を擽った 老いた命と溶けあい 夕焼けみたく佇む 喉元引き裂いて 憂 水のように溶けた僕は墓標に振り 向く 君のように叫べば混じれたのに 満ちたメルヘンの中で 僕は君と走れたのに 摩耗した日々で声が出せない 夕焼けと対自したままでいる 痛む眼の奥に何も見えない 君のように叫べば混じれたのに 踵を返して僕は墓標へと向かう 首に結んだ手綱に引かれて 君は手折れるくらいの足で 僕についてきてくれた
