幻の目の奥に暮らすあの子は、 いつも楽しく手を振っていた。 それがただ夢だったことも 覚えているのに。 一度知った幸福の毒を忘れられず、 何度だって真夜中の探検に出る。 彼女はきっとその名前を 知らないまま 大きくなってしまったんでしょう。 夕暮れの意味もわからないで 歩かされているうちに、 その目はすっかり 暗澄んでしまっていた。 そんな話はきっと夢で。 私は必ず幸福だった。 写真に映る私は今日もずっと、 ひたすら楽しい手を 振っているから! 私は綺麗で幸せなこのまま 死んでいくのでしょう! 美しい思い出を 勝手に摘まないように! あいされることを知らないで 大きくなってしまったあの子は、 何も食べずに 嘘ばかりついていたから、 その日に出会った毒の味を 忘れることができませんでした。 彼女はすっかり夢中になって、 その花畑の名前も知らないで歩き 続けていました。 頭の中はすっかり暗んでしまって、 今ではもう帰り道も 忘れてしまったけれど、 ただ、楽しそうに手を振っていた。 あの子は今日も 真夜中の探検にでるのでしょう。 もう何も 見つけられないとわかっているの に。 こんな御伽噺を 聴くのはもうやめましょう! 私は必ず幸福だ。 なぜなら私は今日もずっと 笑っているし、 昨日だって皆でお祝いのパーティを 開いたばかりなんです! 哀しいことは何にもありません 足りないものはひとつもありま せん! そうだ! また明日もこうして皆で集まって パーティをしましょう! それはきっと 楽しいパーティになる! 私はずっと笑顔だったし 朝の占いだって悪くない きっと今日も大丈夫 良い一日になりますように