過ぎた時計のことを考えている。 言葉を忘れた歌声が、 呪いみたいに耳に縛り憑いて、 それでも私を生かし 続けているのを。 「止要のない冗談だ。」 と貴方は笑って、 それだけですっかり私を 置いていってしまうんですから。 せっかく歌っているのに…… ねむれ ねむれ 私の手に。 ここは楽しい夢。 悲しかった? おいで、 私が全部正してあげるからさ。 部屋にそっと置いた秘密の日記、 あれが本当だよ。 苦駄んない火は消して私を 見ていて。 それで安心だから。 完全な設計に拠れば、 貴方はたったひとつさえ 記憶のないまま産まれたはずです。 それは大体の、人間g……が! 「二日前に食べた 豚の名前をほとんど少ししか 憶えていないこと。」 と同じですよ! だから、 ここにはたったひとつさえ 心配がありません。 もう一度やりなおしましょう。 失敗を作り出すことは、 生命の成す、 とても好い行いとされています。 ねむれ ねむれ 私の手に。 ここは楽しい夢。 悲しかった? おいで、 私が全部正してあげるからさ。 部屋にそっと置いた秘密の日記、 あれが本当だよ。 苦駄んない火は消して私を 見ていて。 それで安心だから。 手、繋いで歩いた、嘘吐の町。 「もうなにもいらないわ。」 とあなたは泣いて咲いたの。 あの手紙の痕を、 まだ、 私は、 抱いて、 過ぎた時計のことを考えている。 言葉を忘れた歌声が、 呪いみたいに耳に縛り憑いて、 それが。 それが私を生かし続けているのだ。 顔も知らない歌声が、 ・いつか貴方へ 届くように歌い続けること。 ・いつか貴方と 出会うように願い続けること。 ・いつか貴方を幸せにするよう祈り 続けること。 ・いつまでもいつまでもいつまでも 永遠を信じ続けること。 完全な設計に拠れば、 これらすべてが、 生命の成す、 一般的な 最悪の行いとされています。 ねむれ ねむれ 私の手に。 ここは楽しい夢。 悲しかった? おいで、 私が全部正してあげるからさ。 部屋にそっと置いた秘密の日記、 あれが本当だよ。 苦駄んない火は消して私を 見ていて。 それで安心だから。