どうしてそんなに上手く声が 出せるんだ? 僕はやっとのことで言葉を 紡いだばかりなのに どうしてそんなに早く 前が向けるんだ ああ、羨んでしまうよ 明日が来たらまた僕は 誰かのために 生きていかなきゃいけないんだよ 今日だってまだこんなに 息をすることさえ苦しいのに 君が言ってたのはこんな 痛みの話なんだね 今ならわかるよ きっと大人になってしまったね 何度僕らは痛みを知っても 性懲りも無く 向かい風はやまないから 頭を下げて歩いて行くしかないけど 僕だってねえほんとは まだ少しいけそうな気がしてんだよ ねえ今も思い出してしまうよ 色もないあの夜の街 見たくはないようなもんまで 見えてしまうから ただ俯いて歩いてた 五月雨がやんで 晴れてゆく空にも気づかずに