解体されてゆく ゆっくりと砂に埋まる 街を眺めている 丘で君と二人 失うものも無く もう失うものも無く 大きな木の下で 泥だらけで二人 海月が大きくなる 街はもう消えている 空蝉風に転がる 透明で無抵抗に いつからか僕等は 万物の掟に触れ 魂の居場所さえも この星から逃してた ただ夜を越すだけの命 ただ朝を待つだけの命 ねえ人はどうして命を 紡いでゆくの? ねえ人はどうして命を 絶やそうとするの? 海月みたいに夜が薄くなってく 海月が眠る頃それでも陽は昇る 朝靄が晴れたら 君は少しだけ笑って 伸ばした手と手が そっと触れたなら これが僕の温度だって これが君の鼓動だって これが人間の血の通った 脈動だって こんな美しい景色を 映し昇りゆく朝陽が 乱反射する君の瞳に 銀色の雫を落とした 雫が落ちたその地には 枯れた砂漠の果て無き地 足元に落ちた雫が 地平線まで花園に変えた こんな時代のこの星にも たまにはこんな奇跡が起こるから 人は人を 人は人を 愛せる様にできていたんだ。