遥かな崖下に広がる 王都へ続く途 血にまみれ泥付いた剣が 主に語りかける 暗き空を引き裂く風が鳴き 置き去られた故郷も名前を捨てたと 誰もが輝きに縋る 永久を掴むために 沸き上がる暮夜の炎が何を 染めようと 償いの詩を祈りながら 幾年が過ぎ去り 眠りの度に蝕まれる希望は 灰色に咲く 仄かな悪意に阻まれた 深き渓の半ば 陽に灼けて擦れた石の碑が行き先を 問いかける 誰もが輝きを隠す 今を生きるために 目を背けている傷痕が明日を 塞ごうと 償いの詩を数えながら それぞれの答を 見知らぬ世界に埋めれば 過去は鮮やかに枯れていく