それから僕たちは春風のフリして 船に飛び乗った 何も知らないまま 幼いときめきと寂しさひとつだけ あれば2人は転り続けて 行けるでしょう 嘯け 字幕さえつかなくても良いさ ワンカット 君が古くなってく様 傾く街 沈むほど湯煙遠く ノイズの風は声をかき 消してゆくばかり エンドロールが遠くなってゆく ひとひらの命たち 文明の欠伸の中 それから僕たちは人間のフリして 歩き始めた 何もいらないまま 幾何学の街なみ 黙読して歩く 裸足の足で スケッチをとるように歩く エンドロールへ連れて行ってくれ 危うさを帯びた秋 その横顔 攫われてゆく 流されてゆく ひとひらの命たち 文明の欠伸の中