赤い百合の香りがした 鉄の町外れ 愛の鐘が響く瓦礫の中、まだ僕らは 濡れた手で砂を掻き集めている 潮騒を隠すように 降りしきる雨空 汚れたその雫で 塗りつぶした季節を 染めてはくれないか 息をする暇もないほどに ねぇ、僕らは 目を瞑っても見えるような 耳を塞いでも聞こえるような 何かを求めてピアスを開ける 僕が塗りつぶしたあの季節は 君には何色に見えた? 降りしきる雨空 汚れたその雫で 塗りつぶした季節を 染めてはくれないか 息を継ぐ暇もないほどに 足跡をさらっていった 淡い波のように 僕が塗りつぶしたあの青い春を すべてを 溶かして すべてを 犯してくれよ