■源氏の夢語り 白妙の君 つゆにぬれつ 思えど心はなお狂おしく 長月の夜に したためた文 とどくはずなどないと知りながら そこはかと 心憂う この思いつのるばかり 叶わぬ思いと 知りつつ耐え難き * 源氏の夢語り 紫の夜に舞う 艶やかなその素肌月に照らされて 源氏の夜に今 つれづれなる思いを うたかたの風に詠む儚き恋の歌 雲がくれに夜中の星よ うつつにも見る君切なくなる 美空ゆく下限の月に いとわびし 恋 儚き時の中 愛しくて ただ愛しく 眠れずに 涙した いたずらに渡らん迷い事のよう 源氏の夢語り 紫に彩られ 夜露に濡れた髪 片身に思えど 源氏の幻に 永遠に惑わされて 通う我が心よ 愛おしき香りなり * くりかえし