一個上の踊り場でみんな歌っている ずっとずっと登り続けて、て、て、 も 誰もいない ちょっと待ってよって 言ってる私の声は掠れた すぐ息切れしちゃうの……。 一小節に二つコードを詰めて 忙しいね 必勝法で埋まる検索履歴 つまらないね なんて いつもより弱い私を いじめるなんて卑怯な私だ 傷だらけ暗い自分を 優しく照らせよ 手のひらの熱が温くて 触れた側から時間が流れた 少しだけ進むの 1歩先の暗闇に 足が震えている きっときっと進まないと何も 変わらないの なんて弱いのって 難易度調整無いしさどうせ もう投げ出しそうなの……。 各教室の中に隠した気持ち 鍵を閉めて 音楽室で聴いた内緒のメロディ 口ずさんで なんて ひとり連れてきた私を 無視するなんて卑怯な私だ 一休みゆるり記憶を 抱えて眠れよ 夏の宵少し浮かんだ 気持ちに頬を緩ませながら 少しずつ進むの