一つ 卑近(ひきん)な 瓢箪も 拾い候(そうら)え 瓢然と 二つ 不便(ふびん)な 瘋癲(ふうてん)は 不労 浮浪の 風来坊 後生だ 芽吹いてくんな 出来りゃあ 実ってくんな ついでに 撓(たわ)んでくんな 豊作だったら 言うこたぁねぇ 忽(ゆるがせ)も 欲ぼりも 鬼の為業(しわざ)にすればええ(ほいッ) 三つ 蜜柑も 妙丹も 見立て候(そうら)え 明眼(みょうげん)で 四つ 余分の 羊羹は 余所見 装って 揚揚と 何の恨みもねぇ 何の謂(いわ)れもねぇ なら気に病むこともねぇ 行き摺りだ 構いやしねぇ 余所者の 流人(るにん)など 鬼に見えねば見せりゃええ(ほいッ) 拝(はい) 拝(はい) 拝(はい) (ほい ほい ほい) やらねば 日照が起こる 起こらぬのは やったから やって起こるは 何とする やってなけりゃあ これでは済まぬ 鬼が 居(お)らんな まあええ 居らにゃあ 居らんで 拵(こさ)えりゃ仕舞いじゃ 山神の 思(おぼ)す随(まま) 鬼が出たなら殺せばええ 幾年と 為て来たり 鬼が居なけりや拵えりゃええ(ほいッ) 鬼が居なけりや拵えりゃええ(ほいッ)